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源氏物語』と言えば、学校の教科書で必ずと言っていいほどお目にかかる作品です。
ただ、この作品の名前は聞いた事がある…という一方で、あらすじについてはよく分からないという方も多いのではないでしょうか。

このページでは『源氏物語』のあらすじ、そして作者の紫式部がどんな人だったのかを、中学生の方にもわかりやすいようにご紹介します。
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『源氏物語』とは?中学生向けに簡単に解説!


まずは『源氏物語』とは何なのかを、中学生の方向けに簡単にご紹介します。

『源氏物語』とは紫式部(むらさきしきぶ)が書いた物語です。このお話は世界最古の長編小説の1つとも言われ、そのボリュームは400字詰め原稿用紙で約2400枚に及ぶとも言われています。書かれたのは平安時代の半ば。西暦1000年代の初めに書き始められ、遅くとも1012年までにはできあがっていたようです。

物語は54巻から成り、それぞれの巻には「桐壷」「若紫」といった名前がつけられています。主人公は「光源氏」という数多くの女性と関係を持った今で言うモテ男。天皇の子供としてうまれるのですが、母親の身分が低かったためその位を継ぐことはありませんでした。

物語はこの光源氏の誕生からその生涯、そして彼の子供や孫の時代、約70年間という長い時間を描きます。また、物語には500人にも及ぶ人物が登場し、彼らの気持ちを表現するための和歌が、およそ800首も登場するのも大きな特徴です。

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中学生にもわかる!『源氏物語』のあらすじとは?


それでは、『源氏物語』のあらすじについて見ていきましょう。

天皇と位の低い母の子の間に生まれた光源氏は、「光輝くばかりの美しい子」と評判の男の子。生まれて間もなく母を亡くし、母の実家の経済的な援助も見込めないことから父の帝の意向で皇族を離れ、臣下として人生を歩むことになります。

既にこの世にはいない母の面影を探しながら光源氏は美しい青年に成長し、さまざまな女性と恋愛遍歴を重ねていきます。母と似ている父の後妻、憧れの人に似た幼い少女、年上の未亡人、自分よりも身分の低い女性、素性も知らない女性との一夜限りの恋・・・
こうした様々な魅力的な女性が物語を彩ります。

その後、政治的に対立する家の娘と密会していたことが原因で、光源氏は都を追われて須磨(今の兵庫県神戸市)へ追いやられてしまいますが、やがて都に戻る事が許されます。その後、光源氏はさらに出世し、ついには貴族で最上位の太政大臣にまで上り詰めます。

その一方で、最愛の女性に先立たれたり、正式な妻として迎えた女性に裏切られるなど、かつて自分がおかした過ちのしっぺ返しを受ける場面も出てきます。こうした過程をへて、最終的に光源氏は出家を決意しますが、その後の生活やその最後については描かれていません。

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『源氏物語』の作者・紫式部ってどんな人?


最後に、『源氏物語』の作者である紫式部(むらさきしきぶ)についてご紹介します。

紫式部は970年ごろに生まれ、1014年ごろに亡くなったと考えられていますが、詳しいことは全く分かっていません。確実な事は学者・藤原為時(ふじわらのたためとき)の娘であること、結婚をして娘を生んだが夫に先立たれたこと、藤原道長の娘で一条天皇の妃となった彰子(しょうし)に仕えたことです。

紫式部は子どものころから勉強が好きで、父の為時は「この子が男の子だったら自分の跡を継いでくれるのに」と残念がったと言われています。また、紫式部は彰子に使える前から『源氏物語』を書いていた可能性があります。彰子の父親・藤原道長は、一条天皇を自分の娘のもとにひきつける武器として『源氏物語』を利用できると考え、式部を娘の家庭教師に任命したという説もあるぐらいです。

道長の目論見通り、文学に造詣の深い一条天皇は彰子の部屋を訪ねては、『源氏物語』を楽しんだそうです。彰子も式部のおかげで高い教養を身に着けることができ、まさに一石二鳥です。式部にとっても、宮中に身を置くことで物語のリアリティはより増したことでしょう。

1012年ごろに『源氏物語』は完成させた式部は、そのあとすぐに宮仕えを辞めたようです。その後のことはよくわかっていませんが、数年ののちに亡くなったようです。

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この記事のまとめ


源氏物語』のあらすじや作者の紫式部について、中学生の方向けにご紹介しました。

『源氏物語』は単に多くの恋愛遍歴を重ねるだけの話ではなく、登場人物たちが男女問わず、その人間関係のなかで悩み苦しむ様子が描かれています。そこには現代にも共通する、人間の姿があります。この点こそが1000年以上、『源氏物語』が愛されている理由なのかもしれません。

※追記:2019年1月16日
源氏物語関連で新しいニュースがありました!源氏物語絵巻の中で、登場人物の女性の一人である”夕顔”の死を描いた場面が、なんとフランスで見つかったのだそうです。この絵巻、どうやらフランスのコレクターの方が購入したのだとか。今後も海外で、国内の貴重な文化財が見つかる事もあるのでしょうか…?気になります。